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短編読みきり



『フフフッ… 貴女の運を試させてあげるわ』
額に不気味な蜘蛛の模様、血の気の無い青白い顔は黒いマスクとメイクで彩られ、黒網ゼンタイの上から黒く艶のあるレオタードと長めのブーツとグローブを身に着けた女が、大の字で磔にされている女を見やり妖しい邪悪な笑みを浮べた。
「運を…試すって…」
この場所に拘束されて直ぐ、怪しい薬を飲まされてからの記憶が曖昧な女は、力のない眼で正面に立つ女を睨む。
「そ…それはどう言う意味なの… 毒蜘蛛… 何を企んでいるの…」
『貴女たち聖忍者には随分な数の下忍と魔忍者を葬られてしまったわ。 それに大切なアジトもね…』
「当然よ… お前たち魔忍軍を殲滅することが、私たち聖忍者、セイントシャドーの使命」
ブレスレット型の聖忍者スーツ転送ユニットと衣服を奪われ、下着姿で磔にされているシャドーピンクは、輝きを取り戻しはじめた目で魔忍軍クノイチ、毒蜘蛛を睨みなおした。
『そうだったわね。 フフフッ…』
「そんなことよりも…」
含み笑いを浮かべる毒蜘蛛の背後に別の気配を感じたピンクの言葉が途切れた。
『毒蜘蛛、聞き出した情報に偽りはなさそうよ』
声と共に現れた毒蜘蛛と同じ格好をした女が、毒蜘蛛の隣に並んで立つとピンクに邪悪な笑みを向ける。
『クククッ… フィットネスクラブにレッドとブルーが入っていったわ』
毒蜘蛛とは異なる蜂の模様を額に刻まれた魔忍軍クノイチ、毒蜂が入手した情報の裏づけが出来たことを告げると、ピンクの表情が俄かに曇る。
『そう。 フフッ… なら計画通りに、ゐ地点にある訓練センターを襲撃してみましょうか』
「あ…あなたたち… まさか…」
自分が飲まされた薬が何だったのかをようやく悟ったピンクの顔が屈辱に歪んだ。
『我ら魔忍軍の尋問術の前には、聖忍者と言えども…  フフフッ…』
『貴女が教えてくれた情報通り、聖フィットネスクラブの地下に聖忍者のアジトがあるようね』
「!!」
『必要な情報はすべて話してもらったわ』
屈辱と怒りに震えるピンクの手に力が入り、拘束具が肌に食い込んでいた。
『敵に情報を漏らしたことが、そんなに悔しい? クククッ…』
『安心なさい。 他の聖忍者でも、貴女と同じように口を割っていたハズ… だから  フフフッ…』
『ふたりとも楽しそうね』
ピンクのことを嘲笑う毒蜘蛛と毒蜂の背後から、またひとり同じ格好をした女が現れ、ふたりの隣に並んで立つ。
その女の額には百足の模様が刻まれていた。
『毒百足、準備は整ったの?』
『頭領の下知ですからね。 しかし、これまで散々邪魔をしてくれた敵方のクノイチを仲間にするなんて、私は我慢できないわ』
「なッ! 何ですって!!  私を仲間にするですって!!」
『毒蜘蛛、ホントなの? この女を公開処刑にするのではなかったの?』
『葬られた下忍や魔忍者の代わりに働かせるそうよ』
『フフフッ… 殺すよりも仲間にした方が利用価値は高いでしょう。 だからこの女、シャドーピンクを私たち毒女組に組み入れることにしたのよ』
『ナッ! この女を毒女にするって言うの?』
『そうよ。  でも、蟲毒で死ななければ… の話だけど… フフフッ…』
「ふ、ふざけないでッ! 私は聖忍者、これ以上の恥辱を受けるくらいなら がッ…」
『お黙りなさい。 勝手に死なれては困るわよ。 クククッ… シャドーピンクが毒女になるなんて面白いじゃない』
ピンクの不穏な行動を見逃さなかった毒蜂の拳が彼女の鳩尾にメリ込んでいた。
『それでも、私は蟲毒で発狂しながら息絶える姿を見たいわね。 クククッ…』
「カハッ…」
そう言いながら毒百足もピンクの腹に拳をメリ込ませていた。
『フフフッ… ふたりとも、憂さ晴らしはそれくらいで良いかしら?』
「ううッ… ぜ…ぜったい… おまえたちの…  アガッ…モゴッ…」
サディスティックに微笑んだ毒蜘蛛はピンクの口が閉じられないようにリング状のマウスピースを捻じ込むと、毒百足が持ってきた黒い半透明の液体の中に何かが沈んでいる容器をピンクの頭上にセットし、それと繋がった管をピンクの喉奥深くへと挿入した。
「ンン… ンンッ…! ンッ!  ンンッ!!」
『クククッ… 足掻いてもムダよ。 毒を飲めば、すぐに楽になれるわ。  そしてすべてを忘れて、私たちの仲間、毒女に生まれ変わるのよ』
『フフゥ… 毒蜂ったら、楽になるってことは死ぬってことよ。  シャドーピンク、たっぷりと蟲毒を飲んで狂い死ぬがいいわ』
『フフフッ… シャドーピンク、貴女の質問に答えていなかったわね。 「運を試させてあげる」って言うのはこう言う意味だったのよ…』
挿入した管が外れないように鼻と口を覆うマスクと、顔と頭を覆い尽くす不気味な鬼の冑を被されたピンクの声は完全に遮断された。
『フフフッ…』
『クククッ…』
『フフゥ…』
毒蜂、毒百足と顔を見合わせて妖艶な笑みを浮かべた毒蜘蛛は、容器のコックを開き黒い液体、蟲毒をピンクの体内に流し込んだ。



全身を痙攣させるピンク。
容器の蟲毒の半分が体内に送り込まれたころから、彼女の体に少しずつ変化が現れはじめた。
血の気が失せて白くなった肌には黒い血管が浮き出し、硬直して痙攣する指先の爪が黒く染まる。
その変化を毒蜘蛛と毒蜂は満足の笑みで見守り、毒百足は苦虫を噛み潰したような顔でみつめていた。
『フフフッ… 残念だったわね毒百足。 シャドーピンクは私たちの仲間になりそうよ』
さらに蟲毒を送り込まれたピンクの肉体の変化も治まり、それを確認した毒蜘蛛がピンクに被せた冑に毒々しい生物を模った前立てを取り付けた。
『それは…  クククッ… 生まれ変わったシャドーピンクの姿、早く見たいわね』
『フフフッ… もうすぐよ毒蜂』
前立てを取り付けられた冑の目が紅に明滅しはじめると、ピンクの体の痙攣も次第に治まってゆく。
そして、肌に浮き出ていた黒い血管が消えて、白い肌が青白く変化しはじめる。
『フフフッ… 彼女が死を望んでも、強い使命感と強靭な精神力が、シャドーピンクの命をつなぎ止める…』
『クククッ… まさか毒蜘蛛、貴女が頭領に進言したのかしら?』
『フフフッ… 敵とは言え、これほどの手練れをみすみす処刑するよりかは…  と思ったのよ』
『フゥ… なるほど。 これは毒蜘蛛の企みだったのね。  まァ、この女が目を醒ましたときには、シャドーピンクとしての記憶や意志はすべて失っている訳だし…   死んだってことにしてあげるわ』
自分を納得させるように話す毒百足が、新しい仲間に熱い眼差しを向けた。



蟲毒の注入が完了すると中に潜んでいた何かが管からピンクの体内へと侵入してゆく。
『フフフッ… はじまるわよ』
毒蜘蛛の言葉と同時にピンクの体が見る見る変化しはじめた。
屈強な格闘家のように筋肉が隆起し、残されていた下着が引き裂かれる。
女性らしさを失った躰の肌の色が黒く変色し、しばらくすると鈍い光沢を帯び、鎧のように硬質化すると隆起した筋肉を抑え込むように、元の美しいモデルのようなボディラインを取り戻した。
被されている鬼の冑もいつのまにか変貌を遂げていた。
その様は取り付けられた前立てに模された生物の顔へと変化し、ピンクの自慢だった長い黒髪を躰と同じ黒い殻で被い尽くし、先端に弧状の鋭い針が冷たい輝きを宿していた。
『フフゥ… イイ感じじゃないの』
『クククッ… そろそろ拘束を解いてあげたら?』
『フフフッ… そうね』
ピンクの拘束が解かれ、顔の下半分を覆っていたマスクと管が取り除かれると、光沢のある黒で彩られた唇が現れ、その口元が微かに吊り上がる。
「ンフ… ンフフ…  ンフフフ…」
漆黒に輝く殻で被われた手を翳して邪悪に微笑むピンク。
少し膨らんだ前腕から二本のノコギリ状の刃を迫り出させると、自分が磔にされていた台を鋏み難なく切断してみせた。
「ンフフフ…」
その力に満足の笑みを浮かべたピンクは、自分に熱い眼差しを向ける三人を順番に見やった。
『フフフッ… 気分はどう? 私たちがわかる』
黒いサソリの魔忍者に変貌したピンクの姿が、3人と同じ青白い肌をした女性の姿に変容する。
「ンフフフ… どうしてそんなことを聞くのかしら? 貴女たちは私の大切な仲間… じゃない 毒蜘蛛」
『クククッ… そうだったわね。 魔忍者ドクサソリ』
『フフフッ… 魔忍軍クノイチ毒女組毒蠍、私たちの大切な仲間…よね』
怪訝な顔を見せるとピンクは磔台の横に用意されていた毒女組の装束を身に着けてゆく。
黒網ゼンタイの上から黒く艶のあるレオタード、そして長めのブーツとグローブを着けると鼻と口元を覆い尽くしてしまう黒いマスクを着けたピンクの額に、黒い蠍の模様が浮かび上がる。
『そうよ。 私は魔忍者ドクサソリ。 魔忍軍クノイチ、毒女組毒蠍じゃない。 ンフフフ…』


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